冬の日

ようやく痛いくらいの寒さがやってきた。今年は暖冬だ。ガチの防寒をしていない気がする。

 

先週から今週にかけて、風邪を引いてしまったが故、あまり外出しなかった。外で飲み食いすることが結構あるので、直帰の日々が続くのは久しぶりのような気がする。

家にいるとすることがなく、早めに床につく。否、外出していてもただお酒を飲むことも何もすることがないに等しい。時間を浪費していると感じる。

 

職場のものだけでなく、学生時代に残してしまった仕事をしている。正確には残したままでも良いのだが、所属研究室の教授の退官の時期が迫っているため、卒業したわたしがすべきだと個人的に判断し、わたしがやると言った仕事だ。

研究というのは、ほんとうに難しいことだ。ただ手を動かしデータを出すだけなら、誰でもできるが、それは研究ではない。実験だ。それを価値あるものに変えていくこと、それが研究である。ゴミでも組み合わせによっては価値あるものに変えられるが、研究者の研究者としての素質がないと、価値あるものもゴミに成り下がる。

 

わたしはとことん研究に向いていないなあ、とおもう。学生時代から感じていたことだが、新しいことを知ることは好きでも、自ら開拓していくことは不得意だ。何かを調べて知識を蓄積していくこと、それは研究ではないのだと気づいていたものの、いつまでたっても自分の力で新たなものを見つけていく、ということをしなかった学生時代だった。

 

簡単にいうと、今日自分のできなさ具合にガーンってなったってこと。わたしには才能がないなあ、と悲しくなった。職場でいい気になって仕事できるつもりでいたけど、全然できてなかったことの裏付けにもなった。恥ずかしい。謙虚に生きねばとおもう。

 

 

 

今日は外に出かけて、読書をしていた。

とても寒いと聞いていたので、防寒したのだけれど、外を歩いていたら背中がホカホカしてきた。すこし遠くの古着屋さんに歩いて行こうとおもったけど、これでは汗をかいてしまうとおもい、バスに乗ることにした。

仙台は程よい田舎であるため、バスを結構待つことがある。今日もバスを待ってたけど、来る気配がなかったから、鞄から本を取り出した。読んでいた本は小川糸さんのツバキ文具店である。

季節ごとで太陽の光の感じが違うとおもうのだけれど、冬は鋭い白、って感じがする。その冬の光に照らされた文面が、とても綺麗だった。ちなみにツバキ文具店、わたしは5回くらい泣くのを堪えたので、皆さんもぜひ手にとってみて。よければ貸します。

 

今、くるしくて目を背けたとしても、わたしは必ずやり遂げる女なので、またがんばってゆこうとおもう。謙虚に生きるのも忘れずに。才がなくとも、日々すこしずつ前に。